ここはクソみたいなインターネッツですね

逆にクソじゃないインターネッツってどこ

1年後、3年後、5年後どうなっていたいですか?という質問

いや逆に聞きますけど5年前のあなたは僕にその質問をしていたかったんですか?って感じ

子供の頃からなんとなしに、大人は未来の話をするのが大好きだなあと思っていた。

大人になった今でも常々それは感じている。評価面談の場における掲題のような質問といい、なんで大人って"自分がどうなりたいか、どうありたいかを考えて逆算で行動しよう"みたいな話が好きなんだろう。

毎日毎日当たり前のように残業をして、みなし残業だから給与も大して増えずに疲労だけ溜まっていくような生活。 少なくとも3秒前までの俺はなんでこんなことしているんだろう、ということを考えていたよ。けれども数秒経った今では、この文章の落とし所を考えている。今のところの人生ってこんな状況の連続で、うわーどうしようかなって思っている間に大抵のことはもう選択するタイミングを逃して良くも悪くもどうにかなっちゃってきた。

例えば今月のノルマを達成できたとして、何が変わるんだろう。 もらえるお金が少し増えて、自分の評価が上がるだろう。けれどもそれで、来月もノルマを追っていくという状況に対して、何をもたらせるんだろう。多少評価が上がって多少賃金が上がって多少次の転職が有利になって、結局やることはサラリーマンなんだろうか。

やればやるほど後が楽になっていくというのなら、やらなければやらないほど後が辛くなっていくというのなら、総量はそんなに変わんねえんじゃねえかな。

基本的に今日で仕事をやめよう、と毎日思っている。明日もきっとそう思うんだろうけれども、明後日はわからない。来年なんてもっとわからない。そのときやりたいことをやっていたいぜ。

なんとなく大学生くらいから思っていたことがある。人間には二種類いるんじゃないかということ。 週末のビール一杯を糧に毎日頑張ろうと思える人と、なんでこんなことやってんだと思いながらもなんとなくそれはそれでそれなりの生活と幸福を見出しちゃったりする人。

今の社会では前者が普通だし、生物として愛されるべき人間だと思う。ただ後者は後者でありがちな話である。僕は基本的には後者寄りであると思っているし、ビールもあまり好きではないから、毎日なんとなくこうして生きていったらそれなりに目標みたいなのが出てきてそれなりな毎日も悪くねえなとか思い始めちゃうんだろうな、とも思っていた。

しかしそれは今の所達成されていないと言える。目標もないし、毎日"今日こそが人生最悪の日"だと思い続けている。

後者のタイプの人間の内、それでもこぼれ落ちてしまう一握りの人種がいるのかもしれない。いわゆるクズ人間。多分僕はそれになるんだろう。過去の自分のせいにするようで非常に申し訳ないことではあるが、きっと僕自身が子供の頃に夢を持てなかったのが大きな原因になると思う。

今はタバコが吸いたい。1秒後には、きっと僕がやりたいことはトイレに行くことになっている。3秒前はそんなことこれっぽっちも思っていなかったのに。こんな風に、やりたいことなんてすぐ移り変わっていってしまう。5年後どうなっていたいかなんてさ、意味ないよ。

どうにも僕には、その"逆算"の発想から本当のことばが出てくるようには思えない。むしろそのことばに寄り添うようなことを本当ということにして、これからもきっと惰性で続いていく"それなり"を、"理想に近づいているんだ"ということにして正当化しようとしているだけなんじゃないだろうか。

"本当になりたいんだったら、そうなるべく努力しろ"みたいな話なんてクソほど聞いてきたし、本当にその通りだと思うよ。 しかしさ、5年後どうなっていたいですか?とか改めて問われて何かを考える機会にしているような奴がだよ。その場でちょっとだけ真面目に考えたことを、"これは俺の本当のことばだ"と思い込むことって正しいことなのかな。そんな風に思わせちゃうのって、いいことなのかな。

働いてるやつは言うよ、働きたくないと。働いてないやつは言うよ、働きたいと。なんだかんだ、人間はないものねだりでグルグル回るだけなんだろうなって僕はそれなりの時間生きてきて感じたよ。5年後大金持ちのニートになりたいと僕が考えたとして、もしそれを2年で達成してしまったら、また違う形の目標を置いてぐるぐる意味もわからず回っているだけだよ。

1年後、3年後、5年後のことはわからない。そのときに思う幸せの形を、そのとき取れる手段で実現していれば良い。今思う幸せの形が、3年後の僕の幸せだとは限らない。足枷になったり、今の自分が感じたい達成感を未来の自分に押し付けているだけになってしまう気がする。

僕は何もしたくない。1年後、3年後、5年後のことはわからない。けれど少なくとも今は、僕は何もしたくない。僕なりの本当のことばはこれに尽きる。

5年後どうなっていたいかとか、そういう意味のない質問を軽々しく投げることはやめたほうがいい。 みんなそんな生き急ぐなよ、と僕は思う。そりゃあ一瞬は答えを出した気になるかもしれないけれども、おおよそ大した答えになんてなっていないし、なりたいものややりたいことを嘘にまみれさせてくだらなくさせていくだけな気がするから。

はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」
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