ここはクソみたいなインターネッツですね

逆にクソじゃないインターネッツってどこ

ほうっておけない

2023年はひどい年だった。それなりの数が重なってしまったこれまでの年の中で、最も嫌な時期の一つだった。 冬から春にかけ、これからの人生をずっと共に歩いていくんだろうと思っていた人とはもう一緒にいられなくなり、酒を飲んで日々を早送りすることが増…

心理的安全、コミュニケーションの複雑性、期待値のコントロール

id:konifarさんの記事を見て、よく分かるなあと思ったので共感している思いと自分なりの解釈を書く。記事は以下。 https://konifar-zatsu.hatenadiary.jp/entry/2021/11/09/152137 会社という範囲で言うと、経営側は社員や従業員へ説明責任を果たす必要があ…

極楽ももう午に近くなったのでございましょう

人の群れが酒を求めて荒川を渡っているという。なんとも動物的なように見えるこの行動も、実際のところストレスに対する正常な反応だと言える。衛生の分野では、ストレスに対する能動的な対処行為、または反応を「コーピング」と呼ぶ。コーピングの中にも種…

令和2年、自殺者をみる。若きウェルテルと月曜

ここ最近、不登校・ひきこもり・生活困窮者など困難を抱える人々にかかわるNPOを探している。そこで働くのでも、寄付をするのでも、ボランティアするのでもなんでもいいが、なにかしらをしたい。自分で立ち上げても良いが、友達がいないので10人の理事を集め…

羣青

我が家の文鳥は、人間が見えなくなるといつもよりずっと大きな声で呼ぶ。今まで飼ってきた他の鳥も同じように鳴いていたから、おそらく鳥類全体の習性のような物なのだろう。呼ぶ理由はよくわからない。自分自身が寂しいからなのか、本能から群れの安全確認…

おじさんとレジン または私は如何にして大人をするのを止めて幼児退行するようになったか

私はふと、彼女を喜ばせたいと思った。次に、仕事をしたくないと思った。つまり、子供に戻りたいと思った。最後に、星か宇宙か何か大きく綺麗なものになりたいと思った。そして気がつくと、私は全裸になった。私は瞬く間に、全裸でレジンを照らすサトゥルヌ…

夢の中における自身の精神年齢について納得と感動したこと

専攻していたわけではないが、人格についての哲学的な論を昔調べたことがある。 ロック、シューメイカー、スウィンバーン、パーフィット、ウィリアムズといったそれぞれ著名な哲学者らが、人格の同一性は何によって判断できるか、ということをひたすらにこね…

「登れる山を登れ」と言った友人の話

昔、登山を趣味にしている友人に尋ねたことがある。「やはりゆくゆくはエベレストやアンナプルナ、世界最高の山々を登りたいのか?」と。彼はすぐさま否定した。 「命懸けで登る山に登りたくはない。登れる山を登るのがいいのだ。」 僕は登山をしたこともな…

そして再び大地に立った

フリーランスを一時卒業しました 一年ほどフリーランスエンジニアとして商売をしてきて、気がつけばいつの間にかまた正社員になっていた。これからも場当たりで生きていきたい。ちなみにこの'いきたい'は'生きて'にかかるのではなく'場当たりで'にかかる。相…

シャーデンフロイデとサウダージ、または酸っぱい葡萄

Wikipediaを特集した番組を見た。マツコデラックスさんがマニアックなゲストから独特な世界を紹介される例の番組。ゲストはWikipedianと呼ばれるWikiの制作編集者だった。彼らはボランティアで記事を書いているとのことで、学生時代から度々お世話になってい…

フリーランスになって知ったこと。そして僕は星になりたいと思った。

泥臭さが必要 去年会社を辞めてから、フリーランスとして細々と仕事をしている。フリーランスと言えば聞こえはいいかもしれないが、潤沢な案件在庫から技術的にチャレンジングなものを選んでカフェでササっとコードを書く、というようなスマートな働き方とい…

カムパネルラとジョン・タイター

ある友人が「向上心と覚悟の経験がある人がいい」と言った。僕はそれに対し「俺には向上心はないが覚悟はあるぜ」と何の気なしに絡んでみたのだが、その返答として友人から鋭い批判が飛んできてギクッとした。 前に進む覚悟がいいよね、マイナスの覚悟は諦め…

君にパッションはあるか?

正義っぽさが恥ずかしい パッション、という言葉を聞く度に、何か胸やけをするような感覚があった。それを持っているのはまさしく正義であり、それを持たないのはすなわち悪である、という何かぼんやりとした押し付けがましさを僕の嗅覚が訴えていた。他にも…

労働と人材3.0

前段 新卒の方のメンター(トレーナー)として半年間後輩指導をし、またプライベートではボランティア活動としてプログラミング講座を開催してきた経験から、労働と教育、ひいては人材について語りたい。 1.0時代 昭和の時代、もっともっと体育会系の企業が多…

俺の前で未来の話をするのはやめろ。繰り返す。俺の前で未来の話をするのはやめろ。

言いたいことは掲題に尽きるのでここからは余談、と今文字に起こしてみて「そもそも余談じゃないことなんて書いたことあったか」と情けない気持ちになった。よって改めてタイトルコールをすることでアニメの最終回的なお茶の濁し方をして自分を慰めることと…

筋肉かお金があれば人は皆優しくなれる説

エンジニア界では最早常識となっているが、人間には筋肉かお金が必要である。 筋肉があると生まれるもの 筋肉は肉体だけでなく精神をも補強する。何か叱責や理不尽を被っても「まあいいかいつでもこいつなんて殺せるし」という鈴木拓的余裕が生まれるのだ。…

xDD(〇〇駆動開発)アンチパターン

最近、チームで非常に有益な振り返りと向き直りを行えた。やはり定期的にこれまでの道程にあった楽しかったこと、辛かったことを見つめ直すことはより良い未来を考えるうえで必要なことなのだと強く実感する。 そういった文脈で、そういえばこんなこともあっ…

プログラミング教育についての雑感

初等教育にプログラミングを組み込むなどの風潮を受けて、一エンジニア及び一プログラミング講師として思うところを綴っておきたい。 私がプログラミングから学んだ最も大切なこと バグのないプログラムなど存在しない エンジニア界隈でこの言葉はあまりにも…

僕のこの手は何を掴んだのだろう

どうやらこれ何も掴んでねえな、という感覚 歳をとり、仕事を経験した。鬱を経験した。ニートも転職も経験した。たくさんの人に手を差し伸べてもらい、そして出来る限りの人に手を差し出した。相手が上にいようが下にいようが構いやしなかった。掴めるもの全…

怒ること、叱ること、たしなめることの違い、理不尽との死闘

怒り、という下らない快楽 怒りという感情は、人間が持つ他の感情と比較してもかなり強い力を誇る感情であると思う。瞬発力、瞬間最大風速でいえば、あらゆる感情の中で最も強いものなのではないかとさえ感じる。 さて、そんな怒りという感情はどんな時に生…

誰がために鐘を鳴らす

マジカルナンバーという概念 マジカルナンバーという言葉がある。ジョージ・ミラーという心理学者が提唱した仮説/概念であり、人間が短期的に記憶できる物事は7±2個程度であるという話だ。彼自身7という数自体には確信を持っていたわけではなかったそうで、…

人間の才能について最近考えること

眼差しという才能 性質ともまた違う、もっと潜在的かつ根本的な領域で、天才的な眼差しを持つ人間がいる。上辺に踊らされることなく、本質を見抜こうとするその鋭さは正に才能と言える。最近そういった才能を持つ人々の強さをまざまざと見せつけられることが…

雑談の重要性 - 雑談が無駄だという迷信

雑談すると仕事が始まる説 あくまで個人の見解だが、世の中のチームの半分以上は雑談が足りていないチームだと思う。現代においても未だ雑談ばかりしていると「サボっている」と周囲から認識されてしまうのは事実だし、確かにそればっかりしているのはよくな…

プログラミング講師が考える、プログラミング学習に必要な資質と講師側の規範、また教育というものについて

真新しいスーツに身を包む方々が目立つ季節となりました。私の下にも新卒の方が2名程つくことが決まり、久しぶりにできる後輩というものへの接し方に関する不安、彼らを一人前に育て上げなければならないという責任の重さから、柄にもなく非常に緊張していま…

新卒研修を行う上で僕が注意すること

入社半年なのに新卒研修を担当することになった 昨年12月よりエンジニアとして仕事をしている。入社から間もないにも関わらず、BTC(Business/Technology/Creative)人材育成研修のテクノロジー部分の担当として抜擢していただいた。これは僕がCODED@という学…

ALLY認定講座(セクシャルマイノリティ研修)を受けた僕が思うこと

アライとは 「アライ」とは、英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源で、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の当事者ではない人が、LGBTに代表される性的マイノリティを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を…

三浦しをんさんが女性だと知って僕はショックを受けた

きみはポラリス (新潮文庫)作者:しをん, 三浦発売日: 2011/02/26メディア: 文庫 何がショックだったかって、僕が三浦しをんさんを男性だと思ってしまっていたこと、つまりは未だ無意識の内に性差別的観点を蔓延らせていること、そしてそれを少しも自覚してい…

悪気はなくとも、言葉は人を傷つける。

コミュニケーションというものは難しい。適切な言葉を選んで発することも難しい上に、相手の話を聴きしっかりと理解することもまた更に難しい。 男性の友人と飲んでいたとき、会計を済ませた僕らを可愛らしい店員さんがエレベーターまで送ってくれたことがあ…

本を読めるかどうか、という人生の指標

恋文 (新潮文庫)作者:連城 三紀彦メディア: 文庫 水やりはいつも深夜だけど (角川文庫)作者:窪 美澄発売日: 2017/05/25メディア: 文庫 最近は、窪美澄と連城三紀彦の小説を読み漁っている。通勤時間には小説を、仕事中は仕事を早く終わらせて技術書や論文を…

バグって言うな問題は構造の問題なんじゃないか

先日から友人のエンジニア達と、はてな界隈でバズっていた記事について話している。 提案:エンジニアに気軽に「バグ」というのはやめませんか? - worker experienceの日記 バズっていた記事とは上記のもので、簡単に言うと「エンジニアに"バグ"と気軽に言…